
もう貴方はどこかへ行ってしまったのね。
ひょっとしたら逢えるかもしれないと思うと居ても立っても居られなくなって、いつも貴方が通ってた所へ、貴方が通る時刻に行ったけど、来たのは新しい無機質な車両だったわ。
貴方は今では貴重な国鉄型でだいぶガタが来てたかもしれないけど、あの独特のモーター音が、屋根のベンチレーターが、菱形のパンタグラフが、後付けのクーラーが、国鉄時代からの扇風機が、一部で最後まで残ってた戸袋窓が、とても魅力的だったの。
常磐顔とパンダ顔がもう見れないなんて。
…新しい車両は“今どき”すぎて、まだすぐには受け入れられないの。
35年もの間、お疲れ様。
さようなら、105系。
(和歌山線/西笠田〜名手)